神戸市民リガ親善訪問団の一員として
H.T.さん
 9月11日、杉田哲副会長、桝本絹枝事務局長の見送りをうけ、K.J.氏を団長とし、総勢10名でリガ、ヘルシンキ、プラハへの旅へと関西空港を飛び立った。ところがリガ空港に着くと、全員のトランクが着いておらず、呆然としている私たちの所へ、対文連のカッタイ氏が出迎えてくれ、紛失届けを出し、ホテルに向かった。ホテルでは、友好協会代表のトマセさんが出迎えてくれた。
 次の日、カッタイ氏が旧市街地を案内してくれ、12時に市役所を表敬訪問した。前日の着のみ着のままの私たちは、外国部長ブーリ氏、ライマさん、トマセさん、通訳としてカッタイ氏の同席のもと、団長のK氏がラトビア語をまじえてあいさつし、神戸市長からの新書を手渡した。記念品はトランクの中のため渡せず、申し訳ないと伝えると、「聞いています。ご不便をおかけして、リガの印象が悪くならないことを願っています。気になさらないで、橘氏によろしく」とのことでした。私たちは、2羽の紅白の折りづるを手渡し「リガ市とコウベシの友好と平和と幸せが続きますように」と英語でコメントしますと「深く心にとどき感動した」と喜ばれた。
 夜は友好協会のメンバーと会食パーティー。ラトビアの民族楽器コークレの演奏を聞き、おいしいラトビア料理を食べた。私たちが日本で練習(?)したラトビア民謡(そよ風に愁いを)を全員で歌い、“さくらさくら”“赤とんぼ”“四季の歌”をコークレの伴奏つきで歌い、たいへん盛り上がった。パーティーのおわりに、いつも歌うラトビアの歌をうたってくれた。記念品も渡すことができ、ほっとした。
 次の日13日は、日本語学校ブリギッタさんの案内で、シグルダ城とトウライダー城のツアーに出発した。途中で雨が降り、シグルダ公園につくと晴れていた。「この時期の雨を、きのこ雨というのよ。帰りにきのこ狩をしましょうか?」の提案に大喜び。公園を散歩し12本の木がサークルになっている場所に連れていってくれ、木に1人ずつ、背中をふれ、木(自然)とふれあった。雨があがり風が吹いたので、りんごの木からたくさんのりんごが地上に落ちていた。「私たちへのプレゼントよ」とのブリギッタさんの言葉で、落ちたりんごをかじり、その酸味と甘みのまじった自然の味をあじわった。そのあと林の中できのこ狩をした。いろんな種類のきのこがあちこちに・・・・・・。見つけた時はヤッター!ブリギッタさんが「まあ、こけももがこんなに群生している。みなさん こけももにはビタミンCと身体に大切な栄養素が含まれています。食べなければなりません」と叫ばれ、私たちは夢中でこけももの実を食べた。日本では体験できない経験ができラッキー!そのあと彼女の日本語学校を見学した。そのとき、彼女は日本文化について深い理解とあこがれをもっておられるのを感じた。漢字については私たち日本人よりよく知っておられ、日本語とラトビア語の漢字辞典を作成しておられるとのこと。ブルギッタさんのエネルギッシュな情熱に、私たちは力をもらった気がした。
 また、カッタイ氏は日本の古典に造詣が深く、近松門左衛門の人形浄瑠璃の床本をラトビア語に訳して出版されているのを知り、びっくりした。ラトビアの方々の日本に対する愛情と友好と、せいいっぱいのおもてなしの心を感じ、国を超えてすばらしい方々との出会いに感謝、感謝・・・・・・。ラトビアでの最後の夜ベッドで横になっていると、ダウガウ川で、800年祭の記念の花火が上がり、窓いっぱいにひろがって見え、思わぬプレゼントに感動した。14日、リガをあとにし、ヘルシンキでは早朝、ホテルの前の公園で、野うさぎに遭遇し、プラハでは、カレル橋から、プラハ城を見たとき、ヴルタヴァ川に白鳥が浮かび、その美しさに、身体がふるえるぐらい感動した。18日には、関西空港に全員帰り、夢のような親善訪問旅行が終わった。メンバー全員力をあわせて、楽しい冒険旅行に参加したような充実感に今もつつまれている。
「日本とユーラシア 兵庫県版」No.269より
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